医療の現場で活躍する精密機器

手術や治療に用いられている精密機器

手術で使用される精密機器

手術や治療の際にも、さまざまな精密機器が使用されています。
たとえば、映画やドラマなどで有名になったバチスタ手術(拡張型心筋症治療)の際に、必ず登場する人工心肺装置。
血液を体中に送るためのポンプの役割を担う心臓の代替えですので、故障が許されない精密機械です。
血液を送るポンプと血流の流れを監視する回路圧検知器、酸素計、そして心臓の代わりをする人工心肺回路、患者さんの様子が数値や波形で表示されるモニターなどで構成されています。
また、困難な手術で限られた医師でないと手術が行えない場合に、遠く離れた場所の患者さんに、専門医が遠隔で執刀を可能させる支援ロボットが存在します。
高速通信回線で専門医と患者のいる病院をつなぎ、専門医が遠隔操作します。
操作部と施術するロボット部と映像カートで構成されている精密機器です。

治療に用いられる精密機器

正しく機能しなくなった腎臓の治療に用いられるのが、人工透析。
ポンプで体外へ出された血液は、ダイアライザーという装置に通されます。
内部は人口の膜でできた管があり、その外側に透析液が流れているのが特徴。
血液は管の中を通り、透析液の中に老廃物や過剰な水分を排出します。
そしてダイアライザーを出たきれいな血液は、再び体内へ戻ります。
この工程は本来腎臓が行うものなので、透析はいわば腎臓の代替えの役割を担っているのです。
透析機は監視装置・透析液供給装置・ダイアライザー・ポンプで構成されている精密機器。
また、昨今がんの治療で効果が高いと話題になっているのが、重粒子線治療でしょう。
高速化させた炭素線を患部に照射し、消滅させる装置です。
炭素線を拘束にするためには広いスペースが必要となるため、一つの施設全体がこの重粒子線治療装置を構成するという、非常に巨大な精密機器と言えます。


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